代表的なハーブの詳細説明 (エピソード、利用法、効能など)

ラベンダー カモミール  ミント パセリ  セージ ローズマリー  タイム レモンバーム  バジル ナスタチウム  ヒソップ マロウ  ハイビスカス ポットマリーゴールド  ロケット チャービル  チャイブ 

ラベンダー:Lavender 戻ります。

・エピソード:学名はラテン語の「洗う」の意味。防虫効果を期待して、こんもり茂った株の上で洗濯物を乾かすことがある。こうした洗濯物には、ストレスを癒すさわやかな香りが残る。日本では、青紫色に輝く北海道の富良野が有名。香りは心を穏やかにし、万人に愛される代表的なハーブ。種類は、イングリッシュラベンダー他、多数。

・利用法,効能:心を落ち着かせる香り。殺菌消毒力に優れ、整肌作用や細胞を活性化する働きがあり、心身ともに鎮静させる。安眠,精神疲労,イライラ,頭痛,消化促進,炎症などにも良く、ポプリ,安眠枕にも利用される。ティーもOK。

カモミール:Chamomile 戻ります。

・エピソード:昔から常備薬として、お母さんのハーブ,女性のハーブ,植物のお医者さんなどと親しまれてきた。種類は、ジャーマンカモミール(German Chamomile:マトリカリア属,一年草),ローマンカモミール(Roman Chamomile :アンテミス属,多年草),ダイヤーズカモミール等。花言葉の「逆境に負けない強さ」は、ローマンカモミールが芝生として使用されていた事から、踏まれても良く育つ生命力の強さを表している。他に、花の咲かないノンフラワー(ローン)カモミールもある。ローンは芝の意味。

・利用法,効能:黄色の花は、リンゴのような甘い香りがし、精神を安定させる。その花のティーは、体もあたたまり、リラックス出来る。ティーはシングルでもOK。鎮静,鎮痛,解熱,発汗,利尿,消化促進,消毒,抗炎症作用などに優れており、美容のための化粧品,浴剤,せっけんなどによく利用される。更年期障害やアレルギーにも効果的。せきなどの風邪の初期症状,炎症,安眠,イライラ,強壮,頭痛,神経痛,胃腸痛,新陳代謝促進などにも良く、体調を整える。

ミント:Mint 戻ります。

・エピソード:最も古くから薬草として栽培されていた植物の一つ。さわやかな芳香成分は、ほとんど万能の効力を持つ。種類は、ペパーミント(Peppermint),スペアミント, アップルミント,パイナップルミント(班入りアップルミント)他、非常に多い。

・利用法,効能:気分爽快の香り。ティー,菓子,化粧品,浴剤,歯磨き,ポプリ以外にも、殺菌消毒,健胃強壮,鎮静,鎮痛の目的で薬品にされる。リラックス,頭痛,肝機能向上,消化促進,利尿,強壮,安眠,発汗促進,花粉症などにも良い。ペパーミントは、ピリッとするほど強い清涼感がある。メンソール分を多く含む。ブレンドティーは、ほとんどのハーブと相性が良い。紅茶とブレンドしても良い。

パセリ(Parsley) 戻ります。

・エピソード:料理でおなじみのハーブ。古代ギリシア、ローマ時代に既に使用されていた。

・利用法,効能:葉を利用。ビタミンA、B、C、カルシウム、鉄分を多く含む。イタリアンパセリは葉の縮んでいない種類だが、くせがなくておいしい。

セージ:sage 戻ります。

・エピソード:「長生きしたければ5月にセージを食べなさい。」という諺もあり、万病に効くハーブとして薬用に用いられる。抗酸化作用があり、老化防止を期待出来る。「死から救う」意味のラテン語が語源。種類は、ゴールデンセージ,パープルセージ,クラリーセージ,トリカラーセージ,チェリーセージなど多数。

・利用法,効能:樟悩的なくっきりとした香り。肉の臭み消し,詰め物,煮込み料理に、刻んで下ごしらえの時から使う。脂肪の消化や腐敗防止効果があり、ソーセージ作りに欠かせない。(ソーセージの語源ともいわれる。) リンス,浴剤,ティーにも用いられる。少々苦みがあるので、ティーはシングルでは少々飲みにくい。セージには多くの薬効があるといわれている。殺菌,歯やのどの痛み,せき,消化促進,解熱,炎症,強壮,精神疲労などにも良い。

ローズマリー:Rosemary 戻ります。

・エピソード:老化防止や細胞活性化に役立つとして注目されている。「不老長寿」「若返り」という言葉で連想されるハーブ。記憶力や集中力を高めるといわれる。学名Rosmarinusは「海のしずく」の意味。大きく分けて、立性と匍匐性の種類がある。

・利用法,効能:さわやかで頭をスッキリさせる刺激的な香り。殺菌消毒力に富み、リフレッシュ作用もある香りは、化粧水,薬剤,浴剤,リンス,肉のくさみ消しや香りづけに。ティーもOK。頭痛,せき,消化促進,利尿,強壮,精神疲労,記憶力増進などにも良く、心臓や脳の働きを強化する。

タイム:Thyme 戻ります。

・エピソード:ギリシャ時代に、勇気と活動と品位の象徴であった。人々の体を薫らせ、強い殺菌防腐力ゆえにストローイングハーブとされた。不衛生だった時代にヨーロッパでは、人の集まる教会等に消毒力に優れ、香りの高いハーブが撒かれたが、タイムもその一つである。シェイクスペアの「真夏の夜の夢」には、妖精の王妃が休むタイムのベッドの説明がある。他にもロマンティックなエピソードがあるが、「実用品」であったことは興味深い。種類は、コモン(Common)タイムの他、レモンタイム,シルバータイム,ゴールデンタイム,クリーピングタイムなど多数。

・利用法,効能:高貴なくっきりとした香り。あらゆる肉料理の風味づけに用いる。特にイタリア料理に合う。ティーは癖があり飲みにくいが、血液の循環を良くし、二日酔い(むかつき)を治し、消化を促進させる。のどの痛み,せき止め,殺菌,防腐,口臭防止,利尿などに良い。せっけん,浴剤,ポプリにも利用される

★上記4種類のハーブのエピソード:

サイモン&ガーファンクルが歌った「スカボロフェア」の歌詞には、「(イタリアン)パセリ,セージ,ローズマリー,タイム」の4つのハーブが登場する。歌詞は、「Are you going to Scarborough Fair.」の後、4つのハーブ名がそのまま「Parsley,sage,rosemary and thyme.」 と続く。その後も、さらに3回登場。

レモンバーム(Lemon balm) 戻ります。

・エピソード:メランコリー(憂うつ)を追い払うハーブとして知られているが、記憶力や長寿のためにも有効らしい。ミツバチを集めるので、「ビーバーム」の名もある。

・利用法,効能:レモンのようなさわやかな香り。ティーなどに使われる。ティーは日本茶に似ているが、穏やかな爽快感があり、飲みやすいと言われている。ミントとのブレンドティーは美味。消化促進,健胃,強壮,鎮静,安眠,精神疲労,発熱,発汗,頭痛,歯痛などにも良い。

バジル(Basil) 戻ります。

・エピソード:ニンニクやトマト,タイムとの相性は抜群で、パスタやピザ等のイタリア料理に欠かせない。種子は水にぬれるとゼラチン状の粘膜に包まれ、以前はこれで目のごみを取った事から、メボウキ(目箒)と呼ばれた。

・利用法,効能:強壮剤となり、精神疲労を和らげる。殺菌力もある。葉は乾燥させると香りが逃げるので、生ハーブがおすすめ。

ナスタチウム(Nasturtium) 戻ります。

・エピソード:葉が蓮の形に似ている事から、金蓮花とも呼ばれる。

・利用法,効能:花も葉も(クレソンやワサビに似た)ピリッとした風味が美味しく、ビタミンCや鉄分が豊富。赤血球の形成に役立つばかりか、腸内有用菌に無害な抗生 物質として働く。果実は便秘薬。

ヒソップ(Hyssop) 戻ります。

・エピソード:呼吸器系疾患に処方される。中世の頃は、葉を洗浄・防虫を兼ねたスト ローイングハーブ(床に散らす)の一種にしていた。紫色の品種の場合、綺麗な花が咲いている群落を少し離れてみると、ラベンダーと見間違えるほど似ている。

・利用法,効能:利用部分は、葉と花。利用方法は、ティー、肉料理、サラダ、ハーブ バスなど。呼吸器系疾患などに良い。

マロウ(Mallow) 戻ります。

・エピソード:花のティーの色の変化は珍しく、「青→紫→栗色→(レモンなど酸味を加えると)→ピンク→黄ピンク」と変化する。かつて飢餓の時の食物だった。全ての炎症と呼吸器のトラブルをいやす。花言葉通り、穏やかな作用を持つハーブ。効用は、せき、喉の痛みや気管支炎,便秘,美肌,アレルギー,食欲増進,消化促進,利尿。根の粘液は特に鎮静,鎮痛効果が高い。

・マーシュ・マロウ(Marsh mallow) アオイ科タチアオイ属,多年草, 学名:Althaea officinalis 和名:ウスベニタチアオイ 別名:ビロードアオイ

 マローの仲間では最も薬効にすぐれ(葉と根を利用の場合?)、古くから気管支炎 や去痰、咳止めなどの薬用として使われてきた。以前は、根からとれるでんぷんで、 お菓子の「マシュマロ」を作っていた。マーシュは湿地を意味し、肥沃なやや湿り気 のある土(湿地)を好む。コモンマロウは、やせた水はけの良い、やや乾燥した土を好む。その他、ムスクマロウ等がある。

ハイビスカス(Hibiscus) 戻ります。

・利用法,効能:クエン酸,りんご酸など、有用な酸が含まれ、ビタミンCが豊富。酸味が効いており、美味である。ローズヒップとのブレンドティーは美味。ローズヒップ(バラの実)は、ビタミンCの優れた供給源であり、強壮,利尿作用もある。疲労回復,カルシウム,鉄分,ビタミン不足にも良い。

ポットマリーゴールド(Pot Marigold) 戻ります。

・エピソード:聖母マリアの名にちなんだ太陽の花。寒さに強く、花期が長い。種まきは秋または春。(種まき時期は、特に9月,3月中旬〜4月中旬頃が良い。)学名のCalendula(カレンデュラ)は、カレンダー、暦の意味で、気がつくといつも花が太陽に向かって咲いていたのをローマ人が見つけたことに由来しているという。「貧者のサフラン」などといわれる。仏壇用の花としても有名。

・利用法,効能:花弁は、生でサラダにしたり、スープやシチューの具として煮込むなど。乾燥花はサフランの代用として、着色料に使える。健胃作用がある。ポプリもOK。乾燥花のティーは発汗作用がある。カモミール同様、美肌作用がある。花弁の浸出液には解毒作用があり、コールドクリームや化粧水、傷の治療に用いられる。

ロケット(Rocket) 戻ります。

・エピソード:イタリアでは、ルッコラと呼ばれ、サラダや肉料理の付け合わせとして日常に用いられている。

・利用法,効能:葉はゴマ風味で美味。日本人の味覚に合うサラダ用のハーブ。ビタミンA、Cも豊富。

チャービル(Chervil) 戻ります。

・エピソード:繊細で美しい葉は、インテリア性が高い。フランスでは常に食卓にのる代表的なハーブの一つ。

・利用法,効能:葉を利用。フィーヌゼルブ(細断薬味草)の中ではもっとも重要な役割を果たす。

チャイブ(Chive) 戻ります。

・エピソード:全ての料理に微妙な風味は良く合う。防腐効果がある。

・利用法,効能:主に葉を利用。食欲増進、消化促進、血圧降下、強壮などの働きがある。

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